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霍桑探偵集から 『霜刃碧血』 上海大学のミス・キャンパス殺害事件 [作品紹介]

 上海社交界の名花、上海大学のミス・キャンパス 庄愛蓮殺害事件を調査すべく現場に駆けつけた霍桑と包朗。
体育大学の女学生が襲われた現場と、庄家の距離はわずか7・8軒隔てた場所だった。
 庄家の邸宅は旧式の石庫門住宅であった。黒色の石庫門を入ったコンクリートのたたきの上に倒れているのが庄愛蓮。普通石庫門の大門は閉められているはずなのに、この邸宅の令嬢が大門を入ったところで殺されているとは。令嬢は使用人に門をあけさせず、自ら門を開けにいったらしい。

 庄愛蓮は20歳前後。漆黒の黒髪、首に血のりがついていた。ピンクの花模様のブラウスにスカート、白いハイヒールを履いている。うりざね顔で、顔立ち・スタイルともに整っていて、生前はさぞかし美しい女性たっだろうと思われた。
 殺害状況は、愛蓮が門を完全に開け切らない時点で、犯人は外から彼女の首を一刺しして逃亡したようであった。
 喉を猛烈な力で一撃された愛蓮は声も立てられず即死。使用人も気付かなかった。死後7・8時間、朝になって発見された。

 愛蓮の父親は、庄清夫といい、上海の名士で紡績工場を2つ所有し、政界から引退後も力を持っていた。令嬢の愛蓮は美しく聡明で、社交に長け、上海社交界の名花といわれていた。
 庄清夫はこのとき、2人の夫人と息子をつれて避暑に行っていた。邸宅に残っていたのは、第二夫人と愛蓮だけだった。愛蓮を生んだ第一夫人は、愛蓮が幼い頃亡くなっていた。第二夫人、その後二人の夫人を迎えた庄清夫は、愛蓮を溺愛しており、彼女の言うことは何でも聞いていたと言う。

 
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