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東方のルパン登場 謎だらけの住宅 [作品紹介]

 33号住宅    孫了紅著

  オールド上海で活躍した推理小説作家孫了紅。彼の小説には魯平という怪盗紳士が主人公を務めるものが多い。
 孫了紅は「東方のルパン」として魯平を位置づけた。作家孫了紅とその創作した怪盗紳士魯平については、すでに紹介してあるので読んでみてください。 
 今回作品を入手し読みましたが、面白いです。痛快です。
 『33号住宅』の抄訳をご紹介します。 

  
 1、問題の住宅

  われらが神秘的な友人魯平と、辞書にある「家」なるものとは、今まで密接なる関係を形成したことはなかった。ところがこのたびは、彼自ら住宅を借り受けることになったのである。住宅を借りることはごくごくありふれたことのはずであるが、住宅を借りたことがきっかけになって引き起こされた結果は、私たちにとっては想像を超えたことであっただけでなく、魯平にとってもまた想像を超えることだった。
 魯平が借り受けた住宅は、貝当路のはずれ、喧騒の都会の中でも人々に詩情あふれる一画と言われる場所に作ら、住宅地は「萍村」と名づけられた。
 魯平がこの住宅を借りたのは、都会の喧騒を離れた静かな環境に惹かれたからでもないし、家庭なるものを形成しようとしたわけでもない。彼の「好奇心」から借りうけたのである。言い方を変えると、彼の「商売の勘」が働いたからといってもいい。


 
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