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東方のルパン 大活躍  [作品紹介]

 人々膏血を吸って太った米商人は、自分の誘拐された息子が米が高価でご飯を食べさせてもらっていないと泣きながら訴えるのを聞いて、すっかりうろたえた。
 「いったいどこのどいつが米の値段をこんなに高くしたんだ!」
 思わず言ったところ、電話の話し手が突然かわって、「本当にどこのどいつが米を高くしたんでしょうね。」といったなり、電話は切られてしまった。
 次の日の午後にも同じような電話がかかってきた。電話に出た息子の向かって、「どこにいるんだ」と問いかけてもわからないと言う。息子は「おなかがすいて死にそうだ。」とばかり泣きながら訴えるのだった。そして、3日目もこんな電話がかけられてきた。電話は公衆電話から、しかも場所を変えてかけられていて特定ができない。
 柳氏はすっかり憔悴してしまった。
 今までの蓄積した脂肪はすっかり落ちてしまい別人のようになった柳氏。
 息子が失踪してから7日目にやっと手紙が届けられた。

 その手紙には、息子を解放する代わりに、千俵の米を寄付するようにとあり、最後の魯平の書名があった。おまけに息子の字で、魯平の言うとおりにしてくれと懇願する手紙が入っていた。

 2日後、新聞に大見出しが躍った。
 「中華義賑会を代表して哀黎鳴は、柳也恵氏が500石の米を寄付して下さったことをここに報告し、心からの感謝をささげるものである。」
 
 すると一台の自動車が萍村の43号住宅に横付けされ、生きた宝物が降りてきた。
 ご飯をろくに食べていないと泣きながら訴えていたわりには、えらく血色もよく元気で父親はびっくりした。

 少し落ち着くと早速息子に質問を浴びせかけたが、こちらの息子もまた沈黙を守り、肝心なことは何も答えないのであった。
 あの34号住宅のお嬢さん姍姍と同じであった。

 さて、失踪した若者3人は元気にしかし、断固として沈黙を守って無事に家に帰ってきた。
 読者の皆様には、33号住宅を中心とした謎がだいぶ解けたことでしょう。

 それでも数々の謎が残されたままになっている。
 次回はその謎を魯平が残したノートを参考に、読者の皆様の満足が得られるよう解いて見せようと思う。
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