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オールド上海で活躍した推理小説家たち  失敗探偵 [作品紹介]

 オールド上海の推理小説家たちは、お互いに切磋琢磨して質の高い作品を産み出していきました。なかなか個性的な探偵を創造。その中でも今翻訳している『失敗探偵』胡閑ーは面白いですよ。
 作者趙苕狂(1891~?)は、小説を発表するかたわら、外国の探偵小説の翻訳に着手しています。彼は作家としてより編集者として知られ、『四民報』『紅玫瑰』『探偵世界』などの編集に力を発揮していました。彼の作品の中では推理小説が一番よかったと評していますが、私の入手できた作品は『少女的悪魔』だけです。この作品は翻訳をほぼ終了しました。
 趙苕狂の創造した胡閑は、失敗探偵と言われています。別に能力が劣るわけでもないのに失敗する探偵。編集を手がけてきた趙苕狂は、世界でも例のない探偵を創造してやろうと考えたのでしょう。私が翻訳をした『少女的悪魔』は、胡閑が一応の成功を遂げる物語で、失敗探偵の面目躍如とはいきません。他の作品を読みたいものです。
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